あたまのまえあたり

ブログというより備忘録

非日常感補給プレイス

ふたたび観はじめた夢のステージ・宝塚歌劇


昨年からたまに宝塚歌劇を観に東京宝塚劇場へ足を運んでいる。 宝塚歌劇には自分が5~12歳くらいの頃まで叔母と母と共に連れ立って観に行っていた。私は出先で騒がないおとなしい子供だったので度々連れて行ってもらえたのだろう。幼少期は舞台のストーリーまではまださすがに把握出来なかったけれど、舞台の上でキラキラした出来事が展開されてるな、女の人(幼少の頃は男役を男役だとわかっていない)のドレスがひらひらのふわふわで色も綺麗だな、普通の人達と違う変な喋り方だな、何だか面白い歌だな、等という認識はたぶん幼くてもあったと思う。

宝塚以外の観劇は大劇場系、特にミュージカルを好んで不定期で気ままにする程度だったが、宝塚歌劇も昨年よりまたぼちぼちと観劇を再開した(うーむ、再開と言って良いのかどうか。子供の頃はチケット代自腹切っていない訳だし)。
東京宝塚劇場のエントランスを入ってすぐの階段の上には花を象ったようなゴージャスなシャンデリアがぶら下がっている。下から見るとはばたく蝶々のようにも見える。

 

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レッドカーペットが敷かれた階段を一段、また一段と踏みしめつつシャンデリアの下をくぐって上階へとあがるとき、夢の世界へいざなわれるように気持ちが静かに高まるあの感じが凄く好きだ。

初心者や安く回数を多く観たい人は2階のB席が3500円で観られる。B席の後方は少し舞台上部が見切れるが、それでも十分楽しめるしメルヘンな夢の世界に入り込めるのが宝塚。私はだいたい舞台が見やすくコスパの良い2FのA席チケットを買っていることが多く、大きな会場でのライブ鑑賞用オペラグラス(倍率は8倍くらいのもの)を持参して観劇している。


劇場の舞台下部にはオーケストラ・ピットが沈んでおり、そこで金管楽器や打楽器、弦楽器、鍵盤等を生演奏していて、そのすぐ上が銀橋(花道)になっている。 ジェンヌ達のセリフや歌、オーケストラの演奏も耳に障る事なく聴こえる。座席の場所によって聴こえ方は多少変わるのかもしれないが、音響もなかなかいいなと思っていた。 宝塚大劇場東京宝塚劇場の音響システムに関する記事 をいろいろ読んで納得。やはり音響にこだわって作られているようだ。

       

 ここにしかない、がある

大人になってからじっくり生で観たロケット(ラインダンス)もあでやかで華やかで美しくて圧巻。あらためて観てもこんなに素敵で楽しいのだから、これははまって何度も観たくなるよな、と、特定の組だけでなく各組の公演を何度もリピートで観る人が多いという話をきくのにも納得。
大劇場での公演において男性の役も女性が演じ、長期間にわたり開催しているのは世界でも珍しいようだし、それが100年以上続いているのだから、宝塚歌劇は立派に日本独特の文化な訳だ。 ここにしかない唯一無二の要素があるから観客は繰り返し観に来たくなるのだろう。

そこでしか味わえない世界観を求めて足を運ぶのは、テーマパークに行く時の気持ちに似ている気がする。宝塚の世界はそれプラス性別を超越したようなグラデーション・ボーダーレスな感じがあるのもまた魅力の一つかもしれない。 私は特定のジェンヌ個人を入り待ち出待ちしたり、私設ファンクラブ等に入ったりする程入れ込んではいないライトファンである。ジェンヌ個人が可憐だったり綺麗だったり恰好良かったりするのに越したことはないけれど、それよりもその人の演じる役の醸し出す世界観や雰囲気をみることでその役を演じているジェンヌを愛好する、といった感じかもしれない。
宝塚各組の公演を何度も観ていく毎に◯組のこの方の演技や歌、ダンスの身体のキレっぷりが特に好みだな、等というのはあるが、特に誰々さんのファン、という訳ではないのである、現時点では。どちらかというと○○の役をやっている誰々さんが好きという状態なのである。だからジェンヌのオフステージの姿には殆ど興味が湧かない。


宝塚の公演は宝塚友の会や各ジェンヌの私設ファンクラブ等での取次での入手以外に、プレイガイドやクレジットカード会社の協賛で割り当てられる特別公演というものもあり、私はこれらを利用して気軽に楽しんでいる。 個人的に宝塚歌劇には日常から逃れての超異世界を求めて足を運んでいるし、宝塚歌劇はそれを決して裏切らないのである。劇場に行けばいつでも「ここにしかない」が手に入る。 宝塚歌劇に出演するのはすべて未婚女性であり、歌劇学校の上級生・下級生の概念があるため役者の事を生徒と呼んだりする。
夢の世界を演出するために敷かれているすみれコードと呼ばれる禁句があったり、ラインダンス後の舞台の大階段を降りてのパレードではその組のトップスターが大きな派手な羽根を背負って降りてきたりと、何かと華やかで特殊な掟のようなものもあるが、良いものはやはり良い。人気のある演目以外は気軽にチケットを買って観られる術が残されているので個人個人のスタンスで楽しむ事も出来る。


個人的に好きな演目・ガイズ&ドールズのDVD/BDが発売直前に不備が発覚したようで発売中止/発売日未定となった。販売元の誤出荷で一度は手元に届いたものの、販売元へ返送する事になってしまいとても残念だった。去年の秋に3回ほど劇場へ足を運んだくらいはまったタイトルだったのだが仕方ない。ゆっくりと楽しみに再発売を待つことにしよう。 質の良いものや、見て聞(聴)いて読んで現地へ行って刺激を受けそうなものにはいろいろと興味がある為、今後もどんどん消化吸収していきたい。また近いうちに、次は母を誘って宝塚歌劇のあの華々しい雰囲気を補給しに行く予定である。