あたまのまえあたり

ブログというより備忘録

酒の友。吉田一郎不可触世界 "あぱんだ"

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2015/05/30/00360

 ZAZEN BOYSベーシスト・吉田一郎のソロプロジェクト作品。

OTOTOYで何と無くサンプルを試聴してみたところ、一発で気に入ってCDを即買いした。

実はこの方がZAZEN BOYSのベーシストだとは知らず(申し訳ないけれどZAZENメンバーのお名前までは把握していないのです)、サンプルの音以外の周辺情報は殆ど何もないまま購入に至りました。
 
あぱんだとはギリシャ語で本の全集、全作品といった意味があるのだそうですね。 アコースティックギター弾き語りのM-1 ルールを除き、全体的にリズムボックスとシンセベースを基礎に生楽器を入れているようで、音数は多くはないけれど無駄なくコンパクトに纏まっている印象を受けた。
 
ニューウェイヴっぽいサウンドにラップありロックありインストあり、70年代邦楽フォークっぽい要素も所々にありで多彩なアルバムです。
纏まっている音と比較的覚えやすいメロディーに彼作詞の少し生々しい歌詞が乗ることで、どこか猥雑な雰囲気が感じられるのが癖になる。
彼のボーカルは無駄に主張してこないのに謎の誘引力がある声と歌い回しで、所謂イケメンボイスだとか良い声ではないのだろうけれどついついリピートで聴いてしまう。
何だか、個人的には常に拡声器を通しているようなイメージの彼独特の震えや響きがある声は面白いし恰好良いと感じてしまう。
 
特に気に入っているのは、歪な感じの鍵盤で始まり、様々な色と様々な時間の空気を想像させる印象的な歌詞のM-2 見慣れた町、シンセベースと鍵盤との絡み合いが病みつきになる、アルバムタイトル曲のM-9 あぱんだ、シャッフルビートに浮遊感あるシンセの音がマッチしているM-6 眼と眼。グルーヴィーなシャッフルナンバーいいねえ、生涯大好物(笑)。ラップ炸裂のM-3 ピザトーストもノリが良く捨て難い。
 
 
セルフライナーノーツがご本人のソロHPにアップされていますが、実はまだほんの一部しか読んでいません。最初にライナーをきっちりと読み込まなくても良い曲は良い曲だと思うので。しばらくは自分の中のイメージで聴いて楽しみたいし。
とは云え、創った人が何を意図していたのかや創作に至る経緯等を語っているのを読むのは好きなので、後の楽しみにとっておいてもう少し経ったらじっくり全部読んでみようかなと。
 
 
こんな恰好良い音を偶然見つけられた事に何だか凄く興奮した。
これを聴いていると酒がすすむことすすむこと。
あぱんだというタイトルもいいし、早くも今年の個人的良盤に推したい。久々に痺れた。


吉田一郎不可触世界 - あぱんだ

このMV中の水しぶきが飛び散るのをスローで撮影している場面が美しくて見入ってしまう。良いな~。